2010年12月27日月曜日

今月のキビノミノボロスゲ情報!2010年12月

今月もhirosaka特派員から、岡山県一宮にある吉備津彦神社に生育するキビノミノボロスゲ情報を送っていただきました!なんと今回は大きな進展があったようです。

心なしか、寒々しい感じです。レンガの囲いがなかったら・・・
「吉備中山を守る会」の皆さんによって手入れがされています。
















「ここにいます」状態のキビノミノボロスゲ。
新しい葉がでているような?
















hirosakaさんからビックなクリスマスプレゼントはこれだ!
なんと、「吉備中山を守る会」の皆さまによるキビノミノボロスゲ紹介プレートがつけられていたとのことです。
守る会の皆さま、誠にありがとうございます!
これで、単なる草(!?)が由緒正しい植物として認識される日はそう遠くないと思われます。













hirosakaさん、いつもありがとうございます!
hirosakaさんほど通年でキビノミノボロスゲを観察している方はいないと思います!

2010年12月18日土曜日

アメリカではアオスゲが1州でしか発見されていない!(2008年)

Carex breviculmis (Cyperaceae) New to the Flora of North America
Lucas C. Majure, Charles T. Bryson
Texas Journal of the Botanical Research Institute of Texas (J. Bot. Res. Inst.) 2(2): 1381-1387(2008).
(→タイトルを検索するとpdfをみることができます。)

なんとなんと、アメリカ・ミシシッピー州でアオスゲ分布地が1ヶ所だけ発見されております。
論文では、Carex breviculmis R. Br.をアオスゲとして扱い、和名Ao-sugeの紹介、詳細な線画とカラー写真で植物体が掲載されています。
ミシシッピー州といっても広いじゃないかということですが、州でもLauderdale County(中央部の端)だけで発見とのことでした。まとめでは、アジアからの航空便に果胞などが紛れて運ばれた可能性も示唆しております。

線画や写真から見ると「アオスゲ」そのもののようですし、お礼項目では、Robert F.C. NacziさんやA.A. Reznicekさんのお名前が出ているあたり、やはりアオスゲで間違いなさそうです。

Carex breviculmis R. Br.の分布域:
東アフガニスタン、オーストラリア、中国、インド、日本、韓国、マレーシア、ネパール、ニュ-ギニア、ニュージーランド、パキスタン、ロシア、台湾(論文より)

ちなみに、日本の論文では要旨は英語で書かれますが、この雑誌ではスペイン語で要旨を書かなければならないようです・・・。フランス語は知っていましたが、スペイン語のバージョンもあるんですね~

2010年12月16日木曜日

「日本の固有植物の植物画展」にカンスゲを出品:nishimoto先生

nisimoto先生のブログにスゲが特集されています!

<花の絵日記>http://blog.hananoe.net/ 

12月16日「スゲ」
タイトル「スゲ」で非常にシンプルながらも、スゲが人の生活にどう関わっていたかが分かる写真がついております。

写真をクリックすると拡大します。

写真の中央部下に、瓶詰めの食べ物のようなものが写っております。
・・・まさかっ!?

鹿野は鳥取県にある鹿野町のことと思われます。こちらは今年のすげの会全国大会開催地でした。

nisimoto先生、スゲを取り上げて下さり誠にありがとうございました!

2010年12月15日水曜日

東京大学総合博物館で特別展示がはじまります!12月18日(土)~2月27日(日)

東京大学総合博物館で特別展示がはじまります!

特別展示:ヒマラヤ・ホットスポット-東京大学ヒマラヤ植物調査50周年
開催期間:2010年12月18日(土)~2011年2月27日(日)
開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日、12/27~1・4、1/11、1/15・16、2/25・26

このあいだ、神奈川県立生命の星・地球博物館で開催されている「横浜植物の会」が100周年記念の展示についてお知らせしました。

ちなみに、我が「すげの会」は今年(2010年)で20周年です。

そして、今回ご紹介するのが「東京大学ヒマラヤ植物調査50周年」です。
岡山理大から東大博へ移られたikeda先生からポスターとパンフレットを送っていただきました。

いつも思うのですが、本当にステキなデザインです。
今回は黄色がメインのようです。

東大博のホームページをみてみますと、スタッフ項目に研究部があります。
研究部には植物や動物、鉱物などを研究なさる方々の他に、「ミュージアム・テクノロジー寄付研究部門」と「インターメディアテク寄付研究部門」という部門があります。どちらの部門にも「~デザイン」という名前のついた担当の方がいらっしゃいます。ここに私はとても興味を覚えます。

何気なく使っているシャーペン、飲んでいるペットボトル、生活に関わる物すべてにデザインがからんでいます。それぞれ、消費者や見る相手に対して最大限の表現をしています。その商品のイメージをいかにうったえることができるかが大きなポイントです。

海外で活発に活動されている研究室や研究所には必ずといって良いほどデザイン担当の方がいらっしゃいます。そのような所のサイトはとても見やすく、わからない単語があっても直感で項目を選んでみようという気持ちにさせられます。何でもそうだと思いますが、「やってみよう」「買ってみよう」と見ている人を動かせるかどうかにかかっている。これを考えるとデザインはとても大切です。
→NHKプロフェッショナルの流儀の佐藤 卓さんの回にものすごく影響を受けています。
→すぐ影響受けやすい性格な私


そこで、今回の東大博の50周年ヒマラヤ特別展示のパンフレットを見ると、A4版の両面に印刷してありますが、表面は何が展示されるかが理解できますし、裏面は地図を用いてアクセス方法と標本画像8点があり50周年の歴史をかいま見ることができます。日本では珍しい標本なので、きちんと種名が書いてあり、「ほう、ちょっと本物を見てみようかな?」という気にさせてくれます。

ikeda先生はこれまでの調査だけでなく、この展示のためにも再度調査に出かけられたと伺っています。お近くの方は是非、お立ち寄りください。
ちなみに、ikeda先生もすげの会会員で会報「莎草研究」の編集委員長をしてくださっています。

2010年12月9日木曜日

莎草研究:別刷の値段メモ 2010年12月9日

<別刷50部+αの値段についてメモ>

・無料お渡し50部に追加で50部を頼まれた場合(実際の支払い価格)

*事前に注文の場合*
カラーページ無、15ページの場合:¥19,000

カラーページ無、20ページの場合:¥24,000

カラーページを入ると、値段が大幅に上がる。

また、追加で100部を頼む場合、単純に値段が上記の倍にならない。
印刷会社によると、紙代程度の増加となる。

2010年12月8日水曜日

sakataさ~んか~ら、ふ~ゆげ~しぃいきぃ~(あのメロディで)

またしても鳥取の韋駄天ことsakataさんからメールと写真をいただきました!

鳥取はついに冬化粧、本格的な冬の到来です。

以前、sakataさんとtanakaさんと一緒に日本海側を調査したときの日本海の荒波は忘れることはできません。しかも、スゲの時期でしたから、夏前。それでも大迫力で怖かったものです。「いわんや冬をや」だ!

最近sakataさんとメールさせていただいてないな~と思っていたところに飛び込んできた今回のメールと写真。喜びもひとしおです。

sakataさん、風邪を引きつつ、RDBと県植物誌Web版に取り組んでおられるそうです。
RDBのお話は以前から伺っていたのですが、「Web版」にビックリです。すごい~
いくつものお仕事をこなされながら、私の心配までして下さる・・・(涙)。頑張っている方のお姿を想像すると、不思議と「やる気」がわいてきます。sakataさん、ありがとうございます!

今月のsakata写真館
鳥取、本格的な冬のはじまり。












皇帝ダリア「冬は私の出番です」


















sakataさん、今回もありがとうございました!!

2010年12月6日月曜日

2011年スゲ図鑑「原画展」、実現なるか!?

nishimoto先生から、前回のすげブログの記事に関してステキなご提案をいただきました!

すげの会の創立は1990年です。
来年2011年は20周年なので、「すげ」にちなんで出版予定の図鑑の原画展をしてはどうかとのご提案です。そのときに、カレンダーや絵はがきなどのグッズも販売すれば「すげの会」や図鑑の宣伝になるのではとのことでした。

***訂正12月8日***やっぱり、2010年が20周年記念でした~

前回、山陽新聞社から「岡山県カヤツリグサ科植物図譜I、II」を出版したときには、丸善岡山店さんで原画展を開催させていただきました。そこでは、なんとお客さんがカヤツリグサ属1種の原画を購入希望してくださった感動の場面もありました(nishimoto先生が一番ビックリ!?)。結局、販売はしていないとのことで実現には至らなかったのですが、意外な販路を見出しました。カヤツリグサ科植物は目立つ花はつけませんが、日本人の知る「わび・さび」がそこはかとなくあふれております。

来年2011年のすげの会全国大会は「北海道」で、出版社は「東京都」。
すげの会の皆さまにも見ていただきたいし、でも出版社側の関連で言えば東京都が開催しやすいでしょうか・・・?東京都ならnisimoto先生も現地までアクセス簡単ですね。原画の移動もあります。

私としては、「東京都」が良いと思いました。みなさん、いかがですか?

2010年12月2日木曜日

神奈川県立生命の星・地球博物館の企画展【横浜植物会の100年】:いずれ「すげの会」も・・・?

神奈川県立生命の星・地球博物館では2010年12月11日(土)から2月27日(日)まで「日本最初の植物同好会 ~横浜植物会の100年~」の企画展が開催されます!

期間:2010年12月11日(土)~2011年2月27日(土)
   *休館日:12月29日(水)~1月3日(月)、1月11日(火)、毎週月曜日
開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで)

展示期間中の12月18日(日)には「サロン・ド・小田原」が開催されます。
第94回サロン・ド・小田原 「日本最初の植物同好会、横浜植物会の果たした役割」

「サロン・ド・小田原」は、神博で「すげの会標本同定会」を開催させていただいたときに参加させていただきました。たいへん活気のある会で、参加される方は交流会も必ず参加していただきたいと思います。そのときは勝山さんによるスゲの講演会が行われ、交流会では「日本のスゲ」がプレゼントされた”スゲビンゴ”が行われとても楽しい一時を過ごしました。

神奈川県は、「横浜植物会」だけでなく、植物誌編纂のときの「神奈川県植物誌調査会」などの活動を経てこられたためか、県民の皆さんの迫力がひと味違います。すげの会の会員さんも神奈川県民の方の割合が高いです。実際、県民の皆さんと調査すると何かと気遣いをしてくださったり、会の進行・準備・開催のときからおもてなしを受けているかのような感じをうけたものです。

また、神博では「学芸ボランティア・展示解説ボランティアの募集」も積極的に行われています。
講義と実習の研修があり、毎年2月中旬に3~4日間開催されます。
「ボランティア入門講座の様子」を神博のホームページでみることができますが、皆さんの笑顔がとても印象的です。

やはり、これらも「横浜植物会」がつなげてきた100年の”重み”でしょうか!?
すごいなぁ~
すげの会の皆さま!わたくしたちも100年後にも続いていて、歴史が語られる様になりましょうね!

ちなみに、すげの会が設立されたのは「1990年1月1日」です・・・。